大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。
この記事でわかること
・8月20日の東京市場──3日ぶり反発、ただし戻りは3分の1に届かず
・同じ全面高を浴びて、3社の出方が分かれた
・あい ホールディングス(3076)──純利益43.7%減の中身は、本業ではない
・パン・パシフィックHD(7532)──全面高の日に、ただ1社下げ続けた
・北川精機(6327)──下げ幅の4分の1を取り戻した
・【本日発表予定】8月21日は2件、いずれもREITとインフラファンド
・今後の決算発表予定──またぎ注意
8月20日の東京市場──3日ぶり反発、ただし戻りは3分の1に届かず
20日の日経平均は890円37銭高の6万6216円79銭で、3日ぶりに反発した。前場中盤には6万6325円32銭まで上値を伸ばしている。
上げの材料は米国から来た。19日の米国市場で財務省が長期国債の買戻し増額を発表し、長期金利が低下。株式に資金が入ってNYダウとナスダック総合指数がともに上昇した。この流れが東京にも波及し、金利上昇の一服を受けて建設株や不動産株といったバリュー株にも買い戻しが入っている。韓国総合株価指数(KOSPI)が大幅高で推移したことも、投資家心理を後押しした。
東証33業種のうち29業種が上昇。輸送用機器、電気・ガス業、医薬品、不動産などが買われ、下落したのは鉄鋼、銀行業、保険業、倉庫運輸の4業種だけだ。東証プライムの値上がり銘柄は1321で84.8%を占め、値下がりは204の13.1%にとどまった。売買高は22億5115万株、売買代金は8兆6034億円。
ただ、この反発を額面どおりに受け取るのは早い。日経平均は前日までの2日間で3893円下げている。それに対する890円37銭の戻りは22.9%で、3分の1戻しにも届いていない。市況解説も「自律反発の域を出ていない」と評していた。
テクニカルの見え方も強弱が混じっている。終値は25日移動平均線の上方に復帰し、一目均衡表でも雲下限を上回って売り圧力の後退を示した。いっぽうで25日線も5日線もともに下降を続けており、下落トレンドの延長を示唆している。週足では株価が13週線の下方に押し戻されたままだ。ローソク足は小陽線で、売り買いが拮抗した形になっている。この日の上昇がダマシに終わる可能性は、まだ消えていない。
値上がり寄与はソフトバンクグループが約128円、ファーストリテイリングが約107円で、この2銘柄だけで約236円分を押し上げた。アドバンテストが約82円、キオクシアホールディングスが約70円と続く。反対に値下がり寄与の上位は東京エレクトロンの約64円を筆頭に、イビデン約37円、京セラ約19円、村田製作所約10円。押し下げ側に半導体関連が固まっている。19日の米SOX指数が2%超下落した流れを、そのまま引きずった格好だ。
なお、20日未明に公表された7月28日・29日開催分のFOMC議事要旨では、参加者がインフレが鈍化しなかった場合の利上げの必要性を指摘していた。米国株が終盤にかけて伸び悩んだのは、これを受けたものだ。
同じ全面高を浴びて、3社の出方が分かれた
この日は、決算を読むうえで都合のよい条件がそろっていた。値上がり銘柄が84.8%という全面高、つまり「地合いは全員に等しく味方した日」だ。それなのに、今週の決算発表で追ってきた3社の出方が、きれいに分かれた。
| 銘柄 | 8月20日終値 | 前日比 | 日経平均との差 |
|---|---|---|---|
| あい ホールディングス(3076) | 2914円 | +1.15% | ▲0.21ポイント |
| パン・パシフィックHD(7532) | 810円20銭 | ▲0.48% | ▲1.84ポイント |
| 北川精機(6327) | 3470円 | +4.83% | +3.47ポイント |
同じ相場、同じ日、同じ上昇率の追い風。それでも一方は指数を3.47ポイント上回って戻り、もう一方は全面高のなかで下げ続けた。この差は地合いでは説明できない。決算の中身でしか説明がつかない。
前日19日は日経平均が3.16%安の全面安で、計画を超えて着地した2社がそろって二桁下げた。あの日は「地合いに巻き込まれた分」と「決算で売られた分」を分けて考える必要があった。20日はその逆で、地合いの追い風が全員に平等にかかっている。だからこそ、乗れた銘柄と乗れなかった銘柄の差がそのまま個別の事情になる。
上げ相場より下げ相場のほうが銘柄の実力が出る、とよくいわれる。私はそれに一つ足したい。全面高で戻らない銘柄には、たいてい理由が残っている。以下、3社を順に見ていく。
あい ホールディングス(3076)──純利益43.7%減の中身は、本業ではない
あい ホールディングスは19日の15時30分に2026年6月期の本決算を開示した。引け後の開示なので、市場がこれを織り込んで売買できる最初の日が20日にあたる。
数字を見る
| 項目 | 実績 | 会社計画 | 計画比 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 850億2400万円 | 900億円 | ▲5.53% | +28.4% |
| 営業利益 | 107億6200万円 | 107億円 | +0.58% | +21.1% |
| 経常利益 | 125億3500万円 | 114億円 | +9.96% | +39.2% |
| 純利益 | 119億3700万円 | 103億円 | +15.89% | ▲43.7% |
この表は、決算を数字だけで判断することの危うさをよく示している。純利益は計画を15.89%上回りながら、前期比では43.7%減。同じ一つの数字が、比べる相手を変えるだけで正反対の顔になる。
43.7%減が意味していること
結論を先に書くと、この43.7%減は本業の悪化ではない。短信の損益計算書を開くと、答えはすぐに出る。
| 項目 | 前期(2025年6月期) | 今期(2026年6月期) |
|---|---|---|
| 営業利益 | 88億8900万円 | 107億6200万円 |
| 経常利益 | 90億800万円 | 125億3500万円 |
| 特別利益 | 192億1200万円 | 800万円 |
| 特別損失 | 70億8100万円 | 39億1900万円 |
前期に192億円あった特別利益が、今期は800万円まで消えた。前期の特別利益の大半は、岩崎通信機の企業買収にともなって発生した負ののれん発生益178億7800万円だ。買収した会社の純資産が買収価額を上回ったときに、その差額が会計上の利益として一度だけ計上される。翌期にはもう出ない性質のものだ。
いっぽう本業を映す営業利益は、88億8900万円から107億6200万円へ18億7300万円増えている。経常利益も90億800万円から125億3500万円だ。前期比43.7%減という見出しの数字だけを見て「利益が半分近くまで落ちた会社」と読むと、実態を完全に取り違える。
決算を守りの道具として使うなら、純利益が大きく動いた期は、まず特別損益の行を見る。そこに一過性の項目があれば、前期比の数字は比較として機能していない。見るべきは営業利益と経常利益になる。これは業種を問わず使える確認のしかたで、企業買収や資産売却が絡んだ期にはきまって出てくる論点だ。
売上だけが計画に届かなかった
気になる点も残る。4項目のうち売上高だけが計画に5.53%届かなかった。利益3項目は計画を超えているので、原価と経費の管理で利益は確保したが、売る量が想定に達しなかった構図になる。
前期比では28.4%増だが、これは前期に買収した会社が通期で乗ってきた影響が大きい。買収による上乗せを除いた実力がどうだったのかは、この表だけでは読み取れない。次の四半期以降、買収の効果が前期・今期の両方に乗った状態での比較が出てくれば、そこではっきりする。
来期計画は減益、それでも増配
同時に開示された2027年6月期の計画が、この決算のもう一つの論点だ。
| 項目 | 来期計画 | 今期実績比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 860億円 | +1.1% |
| 営業利益 | 110億円 | +2.2% |
| 経常利益 | 117億円 | ▲6.7% |
| 純利益 | 90億円 | ▲24.6% |
| 1株当たり配当 | 140円 | +12.00% |
売上はほぼ横ばい、純利益は4分の1減る計画を出しながら、配当は125円から140円へ増やす。1株当たり利益は224円08銭から168円94銭へ24.61%減る見込みなので、配当性向は55.8%から82.9%まで上がる計算になる。
この設計の背景は短信に書かれている。同社はDOE50%という方針を掲げている。DOEは株主資本配当率のことで、利益ではなく株主資本を基準に配当額を決める考え方だ。利益が上下しても配当が振られにくくなる反面、減益の期でも配当を維持・増額することになるので、配当性向は跳ね上がる。
配当を目的に持つなら方針が明示されているぶん見通しは立てやすい。いっぽうスイングで持つなら、来期の利益が減る計画を出した事実のほうが重い。増配は株価を支える材料になるが、値幅を取りにいく判断の根拠にはなりにくい。
20日の値動き──朝は売られ、大引けで切り返した
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前日終値 | 2881円 |
| 始値 | 2831円(前日比▲1.74%) |
| 高値/安値 | 2914円/2777円 |
| 終値 | 2914円(前日比+1.15%) |
| 日中値幅 | 4.93% |
| 出来高 | 47万2700株(前日比+130.9%) |
この日の値動きは、決算の複雑さをそのまま映していた。寄り付きは1.74%安で始まり、安値は2777円まで沈んでいる。前日比では3.61%安の水準だ。そこから買い直され、終値2914円はこの日の高値で引けた。
注目したいのは出来高が前日の2.3倍に膨らんだことだ。売買が膨らむのは、評価が割れているときに起きる。前期比43.7%減という見出しを見て売った人と、中身を確かめて買った人が、同じ日に同じ場所でぶつかった。その綱引きの結果として高値引けになった。
とはいえ、上げ幅1.15%は日経平均の1.36%をわずかに下回っている。地合い並みの戻りであって、決算が買われたと言い切れる動きではない。寄りで売られたぶんを日中で取り返した、というのが正確なところだ。判断するには、地合いの追い風が止まった日にどう動くかを見たい。
パン・パシフィックHD(7532)──全面高の日に、ただ1社下げ続けた
3社のなかで、いちばんはっきりした答えが出たのはこの銘柄だ。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前日終値 | 814円10銭 |
| 始値 | 814円20銭(前日比+0.01%) |
| 高値/安値 | 834円30銭/808円 |
| 終値 | 810円20銭(前日比▲0.48%) |
| 日中値幅 | 3.25% |
| 出来高 | 2339万8600株(前日比▲33.1%) |
値上がり銘柄が84.8%を占めた日に、下げて終えた。日経平均との差は1.84ポイント、プライム平均株価との差は2.01ポイントの逆行安になる。19日の11.08%安から、戻せていない。
日中に834円30銭まで上げた場面はあった。前日比では2.48%高の水準だ。それが売り直されて810円20銭まで押し戻された。戻り待ちの売りが上値に置かれていた、ということになる。18日の終値915円50銭から数えると、2日で11.50%下げたままだ。
出来高は前日の3分の2に減っている。投げ売りは一巡したが、買い戻しが入ってこない。この組み合わせは、下げ止まりを確かめるうえで扱いが難しい。売り物が減っただけで買いが集まっていない状態は、下値が固まったこととは違う。
なぜ戻らなかったのか
同社が18日に開示した2026年6月期の本決算は、売上高・営業利益・経常利益・純利益の4項目すべてが会社計画を上回り、配当も8円50銭から9円50銭へ増やしている。着地の数字そのものは、文句のつけようがない。
問題は同時に出た2027年6月期の計画だった。
| 項目 | 来期計画の増減率 |
|---|---|
| 売上高 | +9.89% |
| 営業利益 | +2.38% |
| 経常利益 | ▲1.24% |
| 純利益 | +0.37% |
売上を1割近く伸ばす計画を立てながら、利益はほぼ横ばい。経常利益にいたっては減る計画になっている。売る量を増やしても利益が伸びない構図を、会社自身が示したことになる。
ここが重要なところだ。19日の11.08%安は、日経平均が3.16%安だった全面安の日に起きた。だから「地合いのせいで下げすぎたのではないか」という見方が成り立つ余地があった。下げ幅の大半が寄り付きのギャップで生じていたことも、需給的な売りに見える要素だった。
その仮説を、20日の相場が検証してくれた。地合いが1.36%高の全面高に転じても、この銘柄は戻らなかった。下げが需給だけの一時的なものなら、翌日の全面高で買い戻しが入るはずだ。入らなかったということは、売られた理由が消えていないということになる。来期の利益が伸びないという事実は、相場が上がっても下がっても変わらない。
私が著書『10万円を1年で100万円にする株式投資術』で繰り返し書いてきたのは、株価が動くのは決算の良し悪しそのものではなく、市場が見ていたものとの差だ、ということだった。この2日間は、その差が「来期計画」という具体的な形で現れた事例になる。着地が計画を超えていても、次の1年の絵が描けなければ買われない。
下がったから買う、にはまだ早い
915円50銭から810円20銭まで、2日で11.50%下げた。安く見える水準だと感じる人もいるだろう。ただ、下げ止まりは下げ幅では確認できない。確認できるのは、その後の値動きと出来高だけだ。
20日の値動きは、その確認がまだ取れていないことを示している。全面高という最も条件のよい日に上値を売られ、下げて終えた。ここで拾うのは、落ちてくるナイフを掴む行為に近い。買いを検討するなら、地合いに関係なく上げる日が出て、そこに出来高がともなうのを待ちたい。
北川精機(6327)──下げ幅の4分の1を取り戻した
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前日終値 | 3310円 |
| 始値 | 3385円(前日比+2.27%) |
| 高値/安値 | 3510円/3310円 |
| 終値 | 3470円(前日比+4.83%) |
| 日中値幅 | 6.04% |
| 出来高 | 65万9300株(前日比▲53.4%) |
パン・パシフィックHDと正反対の動きになった。日経平均を3.47ポイント、プライム平均株価を3.30ポイント上回る戻りだ。19日は15.88%安と3社のなかで最も大きく下げていたが、20日は最も戻した。
18日の終値3935円から19日に3310円まで625円下げ、20日は3470円まで160円戻した。下げ幅に対する戻りは25.6%になる。日経平均の戻り22.9%をやや上回る水準だ。
値動きの形も悪くない。安値3310円は前日終値と同値で、そこを割らずに終えている。寄り付きから2.27%高で始まり、高値3510円をつけたあとも前日終値より下には沈まなかった。下値を切り上げた形だ。出来高は前日の半分以下に減っており、売り物が減ったところに買いが入ったという素直な戻りに見える。
2社の差はどこにあったか
北川精機の2026年6月期も、純利益が会社計画を22.95%上回って着地し、配当も増やしている。ここまではパン・パシフィックHDと同じ「計画超え・増配」だ。19日にそろって二桁下げたのも同じだった。
違うのは来期計画だ。北川精機は2027年6月期の純利益を26.45%増える計画としている。パン・パシフィックHDの+0.37%とは、絵の描き方がまるで違う。
この差が、20日の反発力の差として出た。19日の下げが地合いによるものだったのなら、地合いが戻れば株価も戻る。北川精機はそれが起きた。パン・パシフィックHDでは起きなかった。同じ「計画超え・増配」でも、来期の計画が違えば、下げたあとの戻り方が変わるということだ。
ただし注意も要る。この銘柄は日中値幅が6.04%あり、19日は11.23%あった。値動きが荒い銘柄で、19日の15.88%安から見れば、まだ戻りの途中にすぎない。3935円まで戻すには、ここからさらに13.40%上げる必要がある。戻り方が素直だったことと、戻りきることは別の話だ。
【本日発表予定】8月21日は2件、いずれもREITとインフラファンド
| コード | 銘柄名 | 区分 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| 8987 | ジャパンエクセレント投資法人 | REIT | 6月期 |
| 9285 | 東京インフラ・エネルギー投資法人 | インフラファンド | 6月期 |
今日21日の決算発表は2件だけで、事業会社は含まれない。この連載では、REITとインフラファンドに注目度の級を付けていない。
理由は性質が違うからだ。REITは分配金と物件の稼働率、賃料の水準で評価するもので、四半期ごとの決算区分もない。この連載が扱っているのは「決算の数字が市場の見ていたものと違ったときに、株価がどう動くか」という切り口なので、そもそも噛み合わない。無理に分析して字数を埋めることはしない。
では今日は何を見る日かというと、ここまで見てきた3社の続きだ。とくにパン・パシフィックHDは、全面高でも戻らなかった翌日にどう動くかで、下値の見え方が変わる。地合いの追い風が続くなかで再び売られるようなら、来期計画に対する評価は当面変わらないと読める。
今後の決算発表予定──またぎ注意
決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
配当を目的にしている場合は、その限りではない。
事業会社の本決算は、19日のあい ホールディングスで一区切りついた。今日21日はジャパンエクセレント投資法人(8987)と東京インフラ・エネルギー投資法人(9285)の2件。来週も8月25日に伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(8963)、26日にジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)と続く。いずれもREITとインフラファンドで、事業会社の決算発表は当面ない。
次にまとまって出てくるのは、11月の3月期2Qを待つことになる。この間は決算以外の材料で株価が動く時期だ。19日のように米国の金利・原油・海外市場の動きがそのまま効いてくるし、20日の反発も材料は米国の長期金利だった。
この2日間で、またぎについて言えることがはっきりした。19日は計画を超えた2社がそろって二桁下げ、20日は全面高のなかで一方が戻り、もう一方が戻らなかった。決算の中身を正しく読めていたとしても、翌日の株価がどちらに振れるかは別の問題として残る。地合いが加われば、なおさらだ。
またぐという判断は、決算の中身を当てる勝負ではなく、寄り付きの値段と、その後の地合いに賭ける勝負になる。変数が多すぎる。私がまたぎを勧めないのは、そこに理由がある。
損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。
「プライム平均株価」について
プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月20日の対象は1557銘柄だった。
日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、数のうえで上げた銘柄が多かったのかを見るのに向いている。
20日は日経平均が+1.36%、プライム平均株価は+1.53%だった。前日までとは逆に、プライム平均株価のほうが上回っている。値上がり銘柄が1321で84.8%を占めた全面高で、値がさ株に頼らず数のうえで広く買われた日だったことがわかる。中央値も+1.28%と、平均から大きく離れていない。
19日はこれが逆だった。日経平均▲3.16%に対しプライム平均株価は▲1.91%で、値がさ株の下げが指数を大きく見せていた。2日並べると、19日は「一部の大型株が指数を押し下げた下げ」、20日は「広く買われた上げ」という質の違いが読み取れる。ただし20日の値下がり寄与の上位には東京エレクトロンなど半導体関連が並んでおり、全面高といっても全部が買われたわけではない。
これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。
なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく(あい ホールディングス:2026年6月期本決算、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス:2026年6月期本決算、北川精機:2026年6月期本決算)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高・日中値幅はJ-Quants APIによる2026年8月20日終値時点の値で、株価は分割調整後の値を使っている。日経平均の終値・前日比・ザラ場高値は報道による。TOPIXはJ-Quants APIによる。20日の市況、業種別の騰落、日経平均への寄与度、構成銘柄の騰落数、売買高・売買代金、移動平均線および一目均衡表に関する記述は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。
記事を書いた人
コマンドY
スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。






