お金と資産、ビジネスで
ちょっとウエを目指す情報サイト/Gold beans.

日経平均506円高でも下げた銘柄が57%、アルバックは16%安|決算ウォッチ

17日の日経平均は506円45銭高の6万9220円25銭で3日続伸したが、TOPIXは13.09pt安と下げている。プライム平均株価も▲0.16%で、下げた銘柄が890と全体の57.2%を占めた。アドバンテスト1銘柄で日経平均を約173円押し上げており、指数だけが上がった日だ。金曜に決算を出した銘柄ではアルバック(6728)が16.01%安。売上も営業益も計画を超えながら純利益だけ届かなかった点が、値段になって出た。今日18日はパン・パシフィックHD(7532)が6月期の本決算を発表する。要注意D級には北川精機(6327)を挙げた。

コマンドY2026/08/18

日経平均506円高でも下げた銘柄が57%、アルバックは16%安|決算ウォッチ
  • 17日は日経平均506円高でもTOPIXは下落。下げた銘柄が890社で57.2%を占めた
  • アルバック(6728)は16.01%安。純利益だけ計画未達という一点が値段になった
  • 要注意D級は北川精機(6327)。日中値幅11.23%で、決算前日に11.31%上げている

この記事でわかること
・金曜の決算に、市場が出した答え(アルバック16%安)
・☆【注目度S級】パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)
・★【要注意D級】北川精機(6327)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月17日の東京市場

指標 終値 前日比
日経平均 6万9220円25銭 506円45銭高(+0.74%)
TOPIX 4184.11 13.09pt安(▲0.31%)
プライム平均株価 ▲0.16%
上げた銘柄/下げた銘柄 628/890 40.3%/57.2%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

17日の日経平均は506円45銭高で3日続伸した。数字だけ見れば堅調な一日だ。ところが同じ日のTOPIXは13.09pt安で下げている。プライム平均株価も▲0.16%で、上げた銘柄は628、下げた銘柄は890。数のうえでは下げた銘柄のほうが多い日だった。

この差がどこから来たかははっきりしている。アドバンテスト1銘柄で日経平均を約173円押し上げており、東京エレクトロンと合わせた2銘柄で約251円になる。前引け時点の日経平均構成銘柄は値上がり70・値下がり153で、225銘柄のうち下げたほうが2倍多い。それでも指数はプラスだった。

前日の米国市場ではダウが107.58ドル安、ナスダックが73.86ポイント安と下げている。小売売上高が昨年5月以来の大幅な落ち込みとなり、ミシガン大消費者マインド指数も予想を下回ったためだ。米消費の減速が意識されるなかで値がさの半導体関連だけに資金が向かい、指数を下支えする構図になった。

日経平均だけを見ていると「3日続伸」だが、持ち株が下げた読者のほうが数のうえでは多い。プライム平均株価を毎日置いているのは、この差を数値で見えるようにするためだ。

金曜の決算に、市場が出した答え

17日号で「金曜に決算を出した会社の株を持っているなら、今日の寄り付きが最初の答え合わせになる」と書いた。その答えが出た。14日に決算を発表した9社の、17日の終値がこうなっている。

銘柄 開示 8月17日終値 前日比 出来高
アルバック(6728) 引け後 7870円 ▲16.01% 20日平均の4.31倍
電通グループ(4324) 引け後 3510円 ▲7.09% 1.84倍
荏原製作所(6361) 引け後 5482円 ▲6.45% 2.33倍
テラプローブ(6627) 引け後 1万2350円 ▲3.82% 2.51倍
フェローテックHD(6890) 引け後 9750円 +7.03% 1.36倍
KeePer技研(6036) 引け後 3175円 +7.34% 5.99倍
東邦亜鉛(5707) 引け後 1089円 +0.74% 3.57倍
アシックス(7936) 場中 5148円 ▲2.52% 1.90倍
トリドールHD(3397) 場中 4152円 ▲1.21% 1.33倍

アルバックの16.01%安が示したこと

17日号でアルバックについて書いたのは、次の点だった。売上高が計画を3.51%、営業利益が3.15%、経常利益が4.78%それぞれ上回った一方で、純利益だけが185億円の計画に7.61%届かなかった。

 結果は▲16.01%。出来高は20日平均の4.31倍、売買代金189億円まで膨らんだ。4項目のうち3つが計画超えでも、市場が見ていた1つを外せばこうなる。

 私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、株が動くのは決算の良し悪しそのものではなく、市場の予想との差だということだった。アルバックの場合、差が出たのは純利益の1点だけである。そこが売られる理由になるかどうかは、発表されるまで誰にも分からない。だから決算はまたがない。

「ほぼ計画どおり」の荏原が6.45%下げた

 荏原製作所は上期予想に対して売上高2.67%増、営業利益2.38%増、純利益0.22%増で、17日号では「ほぼ計画どおりの着地」と書いた。その荏原が▲6.45%である。売買代金478億円はこの9社で最大だった。

 計画どおりというのは、予想との差がないということだ。買う理由にならない。良い決算が買われ、悪い決算が売られる、という単純な対応にはならない。

上げた2社

 フェローテックホールディングスは+7.03%。9か月計画に対する進捗が1四半期だけで営業利益46.78%・純利益65.21%まで来ており、純利益の計画を330億円から360億円へ引き上げていた。

 KeePer技研は+7.34%で、出来高は20日平均の5.99倍とこの9社で最も膨らんだ。営業利益は計画を5.12%下回り、純利益は5.25%上回るというねじれた着地で、来期の純利益は36.70%減の計画だった。それでも上げている。ただし売買代金は19億円で、上の2社とは規模が違う。

☆【注目度S級】パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532/小売業)6月期 本決算

 今日18日に決算発表を予定するのは3社。そのうち東証プライムはこの1社だけだ。ドン・キホーテ、ユニー、アピタを展開する会社で、過去4回の開示はいずれも15時30分。今日も引け後の開示になる見込みで、市場が反応するのは明日19日になる。

見どころ
 3Q(2026年5月13日開示)までの累計は売上高1兆8265億3400万円、営業利益1375億2100万円、経常利益1403億6300万円、純利益939億6600万円。通期計画に対する進捗は売上高75.01%、営業利益79.04%に対して、純利益だけが87.82%と突出している。

4Qで見る数字
 通期計画は売上高2兆4350億円、営業利益1740億円、純利益1070億円。4Qの3か月で必要なのは売上高6084億6600万円、営業利益364億7900万円、純利益130億3400万円になる。前期の4Q単独の純利益は146億4100万円だったので、今期に必要な130億3400万円はその89.02%。前期並みを出せば計画に届く計算だ。

スイング目線
 17日終値は909円で前日比▲1.87%。高値925円・安値906円、出来高756万1000株は20日平均の0.80倍で、売買代金は69億0000万円だった。20日平均の日中値幅は2.79%と、荒い銘柄ではない。ただし7月1日比では+14.55%。上げてきた位置での発表になる。

Point
 進捗87.82%という数字は、達成の確度が高いことを示している。だからこそ、この決算で市場が見るのは「計画を超えたか」ではなく「どれだけ超えたか」と、同時に出る来期2027年6月期の計画のほうだ。今期計画は前期比で売上高8.38%増、営業利益7.21%増、純利益18.22%増。来期がこれを上回る形で置かれるかどうか。私なら、着地の数字より来期計画の置き方を先に見る。なお予想年間配当8.5円は3Q時点の会社予想で、本決算で変わる可能性がある。

★【要注意D級】北川精機(6327/機械)6月期 本決算

 S級・A級は誰もが見る。ここでは、その陰に隠れていて、しかも値が大きく動きやすい一社を挙げておく。注目度ではなく、値動きの荒さで見るべき銘柄という意味だ。

 プレス機や積層板製造装置を手がける会社で、市場はスタンダード。過去の開示は15時35分で、こちらも引け後の見込みになる。

見どころ
 3Q(2026年5月8日開示)までの累計は売上高41億5500万円、営業利益6億8200万円、経常利益7億5100万円、純利益5億2200万円。注目したいのは6月19日に業績予想を上方修正していることだ。営業利益を6億6000万円から8億5000万円へ28.79%、純利益を4億4000万円から6億1000万円へ38.64%引き上げ、予想年間配当も14円から20円にした。売上計画66億円は据え置いている。

4Qで見る数字
 修正後の通期計画に対する進捗は、売上高62.95%に対して営業利益80.24%、純利益85.57%。売上の進捗より利益の進捗がはるかに先行している。4Qに必要なのは売上高24億4500万円、営業利益1億6800万円、純利益8800万円。前期実績(売上高62億2700万円、営業利益6億2300万円、純利益3億9400万円)と比べると、修正後計画は営業利益36.44%増、純利益54.82%増になる。

スイング目線
 20日平均の日中値幅は11.23%。同じ日に発表するパン・パシフィックHDの2.79%の4倍だ。17日終値は3985円で前日比+11.31%、高値4025円・安値3710円、出来高112万0500株は20日平均の1.57倍、売買代金43億8000万円だった。株価の位置も見ておきたい。7月3日の8210円から7月29日の2679円まで、1か月足らずで67.37%下げている。そこから17日の3985円まで48.75%戻した。その途中で、決算発表の前日にさらに11.31%上げている。

Point
 期末の2か月前に利益と配当を引き上げた会社が、実際にどこへ着地したか。それが確かめられる決算だ。S級のような大型株は情報が行き渡っていて織り込まれているが、この規模の会社は数字が出た瞬間に評価が変わる余地が残っている。ただし要注意と付けているとおり、日中値幅11.23%は上にも下にも同じだけ動くということだ。1か月で67%下げてから49%戻し、発表前日にさらに11%上げた銘柄である。私なら、この位置で決算をまたごうとは思わない。

【本日発表予定】

 上の2社のほかに、CREロジスティクスファンド投資法人(3487)が6月期の決算を発表する。物流施設に投資するREITで、四半期ごとの決算区分がない。一般の事業会社と違って売上や営業利益で業績を測るものではなく、分配金と物件の稼働率が中心になる。この連載が扱っている「決算の数字が予想と違ったから株価が動く」という見方とは、そもそも性質が異なる。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週の並びは、今日18日が3社、19日が2社、20日が1社、21日が2社。先週までの数百社規模から完全に落ち着いており、またぐかどうかで悩む場面はほとんどない。

このうち事業会社の本決算は、今日のパン・パシフィックHDと北川精機、そして明日19日のあい ホールディングス(3076/卸売業)の3社だけだ。あいHDは3Q時点で純利益の進捗が93.62%まで来ており、前期は純利益212億8000万円が営業利益88億8900万円の2.39倍という特殊な形をしている。5月15日には配当予想を110円から125円へ引き上げた。ここは明日の号で扱う。

残りはREITとインフラファンドで、8月25日のインヴィンシブル投資法人(8963)、26日のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)まで、その傾向が続く。

そのうえで、今日の2社はどちらも引け後の開示になる見込みだということを添えておく。今日の値動きは決算を見ていない値段で、数字に対する答えが出るのは明日19日だ。昨日のアルバックが16%下げたのと同じ構図が、明日に起きる可能性がある。発表前に持ち高をどうするかは、今日の取引時間中に決めるしかない。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月17日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

17日はその差がはっきり出た日だった。日経平均は+0.74%だが、TOPIXは▲0.31%、プライム平均株価は▲0.16%。上げた銘柄は628で40.3%、下げた銘柄は890で57.2%である。アドバンテスト1銘柄の押し上げが約173円あり、指数はこれで持ち上がっていた。14日は日経平均+0.59%に対してプライム平均株価が+0.91%と、逆に指数を上回っていたので、3営業日のあいだで関係が二度入れ替わったことになる。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信にもとづく(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス:2026年6月期第3四半期、北川精機:2026年6月期第3四半期および2026年6月19日開示の業績予想の修正、あい ホールディングス:2026年6月期第3四半期。8月14日発表分はアルバック・KeePer技研が2026年6月期本決算、電通グループ・荏原製作所・テラプローブが2026年12月期第2四半期、フェローテックホールディングスが2026年12月期第1四半期、アシックスが2026年12月期第2四半期、東邦亜鉛・トリドールホールディングスが2027年3月期第1四半期)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高・売買代金・日中値幅はJ-Quants APIによる2026年8月17日終値時点の値で、株価は分割調整後の値を使っている。日経平均の終値・始値・高値・安値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。17日の市況および日経平均構成銘柄の寄与度は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY
スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています