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今日の決算発表は6社、ただし動く材料は金曜の354社にある|決算書ウォッチ

14日の日経平均は405円21銭高の6万8713円80銭で4日続伸し、TOPIXは8日続伸で最高値を更新した。プライム平均株価は+0.91%と指数を上回り、上げた銘柄は1124と全体の72.2%を占めている。今日17日の決算発表は6社しかないが、動く材料は金曜の354社のほうにある。決算発表は引け後15時半以降の開示が大半で、市場がそれを織り込むのは翌営業日、つまり今日だからだ。アシックス(7936)は通期の営業益計画を1950億円へ引き上げ、アルバック(6728)は純利益だけが計画に届かなかった。

コマンドY2026/08/17

今日の決算発表は6社、ただし動く材料は金曜の354社にある|決算書ウォッチ
  • 今日の決算発表は6社。ただし金曜14日の354社の反応が出るのは今日
  • アシックス(7936)は上期営業益1204億円で通期計画を1950億円に上方修正、配当も44円へ
  • アルバック(6728)は売上と営業益が計画超えなのに、純利益だけ7.61%届かず着地

この記事でわかること
・今日の決算発表は6社、ただし材料は金曜にある
・金曜に出た決算と、今日の見どころ(アシックス/アルバック/フェローテック ほか)
・【本日発表予定】
・今後の決算発表予定──またぎ注意

8月14日の東京市場

指標 終値 前日比
日経平均 6万8713円80銭 405円21銭高(+0.59%)
TOPIX 4197.20 21.16pt高(+0.51%)
プライム平均株価 +0.91%
上げた銘柄/下げた銘柄 1124/402 72.2%/25.8%

※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。

14日の日経平均は405円21銭高で4日続伸した。TOPIXは8日続伸で終値ベースの最高値を更新している。前日の米国株高を受けてAI・半導体関連が朝から買われ、ザラ場では6万9608円24銭まで上げて6万9000円台に乗せた。

ただ、そこからは戻り売りに押されている。終値は6万8713円80銭で、高値からは894円44銭下げた。後場中盤には6万8471円15銭まで沈む場面もあった。韓国の総合株価指数が上げ幅を縮めたことに加え、週末を前にした持ち高調整の売りが出たためだ。日銀による9月の追加利上げへの思惑も残っており、株式の割高感が意識されたという見方もある。

注目したいのは、指数の伸びが鈍かった一方で、プライム平均株価が+0.91%と指数を上回ったことだ。上げた銘柄は1124で全体の72.2%を占めている。13日は日経平均+1.16%に対してプライム平均株価が+0.86%と、指数のほうが大きかった。14日はこれが逆転している。値がさ株が伸び悩むなかで、中小型を含めて幅広く買われた日だった。

今日の決算発表は6社、ただし材料は金曜にある

今日17日に決算発表を行う予定なのは6社。内訳はREIT3社、インフラファンド1社、スタンダード2社で、東証プライムは0社だ。

先週の並びを振り返ると、12日が203社、13日が217社、14日が354社。そこから一気に6社まで落ちた。この期の決算発表は、先週金曜で山を越えている。

ただ「今日は見るものがない」かというと、そうではない。むしろ逆で、今日は先週金曜に出た354社ぶんの評価が下される日になる。

理由は決算発表の時間帯にある。上場企業の決算発表は、引け後の15時30分以降に開示されるものが大半だ。金曜の15時半に数字が出ても、その日の取引はもう終わっている。市場がその内容を織り込んで売買できるのは、次に取引所が開く日——つまり今日の朝からになる。

金曜に決算を出した会社の株を持っているなら、今日の寄り付きが最初の答え合わせになる。逆にいえば、金曜の終値は決算を見ていない値段だ。

金曜に出た決算と、今日の見どころ

先週14日に発表があった会社のうち、この連載で取り上げていた銘柄の数字を並べておく。開示が場中だったか引け後だったかで、株価に織り込まれている度合いが違うので、そこも添える。

アシックス(7936/その他製品)12月期2Q

 14日13時00分の開示。場中に出たので、金曜の株価にはすでに一部が織り込まれている。

 上期は売上高5344億8300万円で32.69%増、営業利益1204億8600万円で48.51%増、経常利益1165億9800万円で48.29%増、純利益821億7100万円で53.29%増だった。そのうえで通期計画を引き上げている。売上高は9500億円から1兆500億円へ、営業利益は1710億円から1950億円へ、純利益は1100億円から1200億円へ。予想年間配当も38円から44円に増やした。

 この連載では14日号で、上期の営業利益について「970億円前後に乗るかが目安」と書いていた。実際は1204億8600万円で、その目安を231億4100万円上回っている。2Q単独(上期から1Qを引いた3か月)で見ると営業利益は597億2400万円で前年同期比63.09%増。1Qの36.5%増より伸びが加速した形だ。

 なお引き上げ後の通期計画でも、純利益を経常利益で割った比率は63.49%と低いままである。上期の実績は70.47%だった。最終段階での目減りを見込む置き方そのものは変わっていない。

アルバック(6728/電気機器)6月期 本決算

 14日15時30分の開示。引け後なので、市場が反応するのは今日になる。

 着地は売上高2691億3000万円、営業利益195億9800万円、経常利益199億800万円、純利益170億9200万円。計画に対しては売上高が3.51%、営業利益が3.15%、経常利益が4.78%それぞれ上回った。ところが純利益だけは185億円の計画に対して7.61%届かなかった。

 この連載では14日号で、営業利益の進捗が77.47%まで来ているのに純利益は49.25%どまりだと指摘し、「4Qの3か月だけで純利益93億8900万円を出さないと計画に届かない」と書いていた。実際の4Q単独の純利益は79億8100万円で、必要額に15.00%届かなかった。3Q累計に対する比率は87.60%である。

 あわせて来期2027年6月期の予想が出ている。売上高2550億円で今期比5.25%減、営業利益280億円で42.87%増、純利益190億円で11.16%増、配当は152円で据え置き。減収を見込みながら営業利益は4割超の増益という計画だ。今日はこの来期計画をどう評価するかが焦点になる。

フェローテックホールディングス(6890/電気機器)12月期1Q

 14日15時30分の開示。こちらも引け後で、反応は今日。

 今期は3月期から12月期への移行にあたる9か月決算で、その1Q(2026年4〜6月)が出た。売上高1824億3700万円で前年同期比164.79%増、営業利益280億7100万円で320.73%増、経常利益272億7900万円で365.19%増、純利益215億1900万円で704.75%増。

 14日号では「9か月計画を単純に3等分すると1四半期あたり売上1266億円・営業益200億円」と書いた。実際は売上で44.03%、営業利益で40.36%それぞれ上回っている。9か月計画に対する進捗は、最初の四半期だけで売上48.01%、営業利益46.78%、純利益65.21%に達した。営業利益率も15.39%と、前期通期の9.54%から大きく上がっている。

 あわせて純利益の計画だけを330億円から360億円へ引き上げた。売上3800億円・営業利益600億円・経常利益550億円は据え置きである。予想年間配当は200円とした。

そのほかの銘柄

 電通グループ(4324/サービス業)12月期2Qは14日15時45分の開示。上期は売上高7173億5200万円、営業利益838億6900万円、純利益462億7700万円で、通期計画に対する進捗は営業利益54.96%、純利益66.39%。ただし2Q単独の営業利益は189億1100万円で1Qの29.1%にとどまる。通期計画は据え置いた。

 テラプローブ(6627/電気機器)12月期2Qは14日15時30分の開示。上期予想に対して売上高が3.84%、営業利益が9.23%、純利益が16.61%それぞれ上回った。14日号では「2Qが1Q並みなら計画どおりに着地する」と書いたが、実際は予想を超えている。

 東邦亜鉛(5707/非鉄金属)3月期1Qは14日15時30分の開示。売上高311億400万円に対して営業損益は2億5000万円の赤字、経常損益は5億8100万円の赤字だった。純利益は2億5900万円の黒字。通期計画は営業利益67億円なので、1Qの赤字からどう戻すかが今後の焦点になる。

 トリドールホールディングス(3397/小売業)3月期1Qは14日13時00分の開示で、こちらは場中。売上高723億1800万円、営業利益52億9400万円、純利益30億3100万円。14日号で注目した営業利益と最終利益の段差は、1Qでは純利益が営業利益の57.25%まで戻っている(前期通期は21.85%)。

 KeePer技研(6036/サービス業)6月期 本決算は14日15時35分の開示。営業利益は69億1400万円で計画を5.12%下回り、純利益は98億3000万円で計画を5.25%上回るという、ねじれたままの着地になった。来期予想は売上高293億8000万円で13.18%増、営業利益90億1200万円で30.34%増だが、純利益は62億2200万円で36.70%減と置かれている。

 荏原製作所(6361/機械)12月期2Qは14日15時30分の開示。上期予想に対して売上高2.67%増、営業利益2.38%増、純利益0.22%増とほぼ計画どおりの着地だった。通期の売上計画は1兆200億円から1兆530億円へ引き上げたが、営業利益1250億円と純利益995億円は据え置いている。

【本日発表予定】

今日発表するのは次の6社。東証プライムは含まれない。

サニックスホールディングス(4651/サービス業) 3月期1Q スタンダード
エム・エイチ・グループ(9439/サービス業) 6月期 本決算 スタンダード

日本ビルファンド投資法人(8951)/日本プライムリアルティ投資法人(8955)/三井不動産商業ファンド投資法人(8964)/カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)

後半の4つはREITとインフラファンドだ。一般の事業会社と違って売上や営業利益で業績を測るものではなく、賃料収入から経費を引いた分配金と、保有物件の稼働率が中心になる。四半期ごとの決算区分もない。この連載が扱っている「決算の数字が予想と違ったから株価が動く」という見方とは、そもそも性質が異なる。保有している場合は分配金の水準と物件の稼働状況を見ることになるが、値動きの荒さを狙う対象ではない。

今後の決算発表予定──またぎ注意

決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。

今週の並びは、今日17日が6社、18日が3社、19日が2社、20日が1社、21日が2社。先週までの数百社規模から、完全に落ち着いた。

このうち事業会社の本決算は2社しかない。18日のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532/小売業)が6月期の本決算で、19日のあい ホールディングス(3076/卸売業)も6月期の本決算になる。どちらも東証プライムだ。残りはREITとインフラファンドで、8月25日のインヴィンシブル投資法人(8963)、26日のジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)まで、その傾向が続く。

つまり決算をまたぐかどうかで悩む場面は、今週はほとんどない。先週金曜までに持ち株の決算発表が終わっているなら、あとは出た数字に市場がどう反応するかを見るだけになる。

そのうえで、今日の値動きの見方をひとつ添えておく。金曜に良い数字を出した会社が、今日そのまま買われるとは限らない。発表前から期待で買われていれば「織り込み済み」として売られることもあるし、指数が高値圏にあるぶん利益確定も出やすい。私が『10万円を1年で100万円にする株式投資術』に書いたのは、数字の良し悪しそのものではなく、市場の予想との差で株価が動くということだった。今日は、その差が値段になって出てくる日だ。数字を見て動くのではなく、値段と出来高を見てから動きたい。

損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。

「プライム平均株価」について

プライム平均株価は、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。8月14日の対象は1557銘柄だった。

日経平均は株価平均型なので、株価の高い値がさ株の動きが指数に強く出る。TOPIXは時価総額加重なので、大型株や金融・内需の動きが効く。これに対してプライム平均株価は全銘柄を等しく1票として扱うため、「数のうえで上げた銘柄が多かったのか」を見るのに向いている。

14日は日経平均+0.59%、TOPIX+0.51%に対して、プライム平均株価が+0.91%と指数を上回った。上げた銘柄は1124で全体の72.2%、下げた銘柄は402で25.8%だった。13日は日経平均+1.16%に対してプライム平均株価が+0.86%で、指数のほうが大きかったので、2日で関係が入れ替わっている。値がさ株が主導した13日と、幅広く買われた14日という違いが数字に出た形だ。

ただし、これは日経平均より優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。プライム平均株価は、値がさ株の影響を受けない見方をするとどう見えるか、という補助線として置いている。

なお株価は分割調整後の値を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄のみを対象にしている。この指標は当社が独自に計算したものであり、取引所等が公表する指数ではない。

※本文中の決算数値は、各社が2026年8月14日に公表した決算短信にもとづく(アシックス・電通グループ・テラプローブ・荏原製作所:2026年12月期第2四半期、アルバック・KeePer技研:2026年6月期本決算、フェローテックホールディングス:2026年12月期第1四半期、東邦亜鉛・トリドールホールディングス:2027年3月期第1四半期)。開示時刻および決算数値はJPX公式のJ-Quants APIによる。株価・出来高はJ-Quants APIによる2026年8月14日終値時点の値。日経平均の終値・高値・安値は日経平均プロフィルの公表値、TOPIXはJ-Quants APIによる。14日の市況は報道による。発表予定はJPX「決算発表予定会社一覧」による。

※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。

記事を書いた人

コマンドY

スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。

この記事を書いた人

コマンドY

コマンドYスイングトレーダー

大学卒業後、メーカーを経て広告代理店にてPR・広報のコンサルとしてと企業支援に従事。ところが新型コロナと50歳の節目が重なり、「このまま真面目に働いていていいのか?」と自問自答。一念発起し脱サラして、FIREを目指してスイングトレーダーに転身。現実はまだ“たき火レベル”だが、日々発表される決算書とチャートの動向と格闘している。最近ではAIを駆使し、銘柄研究を行っている。

※このサイトは「事業再構築補助金」を活用しています