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マンションを購入するなら管理で選べ マンション管理のチェックポイント(上級編)

マンションの管理状態をつかむために重要なツールが「重要事項調査報告書」だ。有料ということもあって、あまり知られていない。そんな重要事項調査報告書の活用方法を解説。

木村和人2023/10/11

修繕積立金不足のマンションは多い

チェックポイント3:修繕積立金残高の目安はいくらか?

適切な修繕積立金残高はマンションのグレードや管理状況などによって大きく違いがありますが、目安として第1回大規模修繕工事の時期(築15年前後)が近いなら、最低でも[120万円×戸数] 以上の積立残高が欲しいところです。
大規模修繕工事直後なら残高が少なくても問題はありませんが、第1回目の大規模修繕工事ですでに一時金徴収や借り入れをしているようなマンションであればは避けたほうがよいでしょう。
第2回目の大規模修繕工事(築30年前後)では、建築系工事に加えて、給排水管、機械式駐車場、エレベーターなどの設備系の維持・更新に第1回目よりもはるかに多くの費用が必要になります。

加えて、このくらいになると高経年化とともに、大規模修繕工事の合間にも頻繁に整備費用がかかるようになっているはずです。
そのため管理費や修繕積立金の増額予定も詳しく見ておく必要があります。特に修繕積立金は多くのマンションが新築分譲当初は低すぎる設定になっているので、5年に1度くらいは見直しをする段階増額積立方式をとっています。増額には管理組合総会の決議が必要ですが適切な値上げをせずに低い設定のまま放置されているマンションが多く、修繕積立金の金額が低すぎるマンションは将来の大幅値上げや一時金徴収などを覚悟しておく必要があります。

他にも重要事項調査報告書や管理規約など見ると購入する部屋だけでなく、マンション全体の管理状況や生活ルールなどに関するさまざまな情報、そして過去にあったトラブルなどが分かりますので、購入を考えているのであれば、面倒くさがらずに早めのチェックをおすすめします。

こういう時代だからこそ、住宅ローンは余裕を持って

最後に、直接マンション管理に関わる訳ではありませんが、無理な住宅ローンを組んでいるために適切な費用負担ができなくなる区分所有者がいると、管理費等を滞納したり、必要な修繕積立金増額に反対したり、管理にも支障をきたすようになりますので、住宅ローンを組む際の注意事項にも触れておきます。

マンション購入の際は、頭金や収入を基に借入限度額や月々のローン返済額を試算しますが、多くの方が上限ギリギリの価格帯の物件を購入したがる傾向にあります。住宅ローンを組む際は、この考えは捨ててください。

以前のように終身雇用が一般的で、収入が右肩上がりに増えていた時代ならともかく、税金、社会保険料、教育費、生活費など出費ばかりが上昇を続ける今の時代は低金利とはいえ、相当な余裕を持った資金計画が必要です。限度額いっぱいの借り入れをして高額な物件を買うのはリスクが高くなります。

しかも、変動金利であればローン金利が上昇する可能性がある上、ここまで説明してきたように「管理費」「修繕積立金」「駐車場料金」なども上昇する可能性が高くなります。これらを考慮したうえで余裕ある住宅ローンを組んでください。とくに修繕積立金は、資産価値を維持するために早い段階での増額が必須であるということは肝に銘じておく必要があります。

本来なら修繕積立金や駐車場料金は分譲会社が分譲時に適切な額に設定すべきですが、支払い負担を少しでも軽く見せかける悪しき習慣がいつになってもなくなりません。こうした状況を見るにつけ、マンションデベロッパー業界に対しては国土交通省のガイドラインを強制的に適用して欲しいと思わずにはいられません。

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この記事を書いた人

木村和人

木村和人ケラー・ウィリアムズ東京 不動産エージェント(保有資格:宅地建物取引士、行政書士など)

当時マンション供給戸数トップの大京に新卒入社で5年間在籍、その後26年間は在日オーストラリア大使館、2018年から豪州最大手不動産会社に勤務、2021年に独立してコンサルタント業と不動産エージェント業を兼業している。趣味はテニス、マンション管理、コントラクトブリッジ。

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