1948年広島県生まれ。住宅をめぐるトラブル解決を図るNPO法人日本住宅性能検査協会を2004年に設立。サブリース契約、敷金・保証金など契約問題や被害者団体からの相談を受け、関係官庁や関連企業との交渉、話し合いなどを行っている。

低金利政策と素人大家の増加
こうした事情に加え、最近のトラブル増加の原因として低金利時代を反映した賃貸住宅投資策と素人経営者の出現という問題があります。
この低金利政策によって、預金者の銀行預金を賃貸用住宅建設へと投資させる傾向を生じさせています。いわば民間賃貸住宅の経営は今がチャンスというわけです。
しかし、民間賃貸住宅経営に関連するハウスメーカー、信託銀行、農協の業者らは土地所有者に対し賃貸住宅経営の観点から土地活用を勧めるにあたり、計画の立案、家賃査定、入居者募集活動、契約締結業務、入居の管理、巡回パトロール、家賃交渉、家賃保証、トラブル・クレーム処理、家賃等の集金業務、定期清掃、家賃滞納立替保証、退室時ルームチェック、敷金清算、引越し業者の手配・紹介等などの管理・サービス業務ばかりを重視。大家業、賃貸住宅経営のリスクや経営ノウハウについて説明することをしません。
この結果、これまで賃貸業とは全く無縁であった素人が賃貸住宅経営者として登場することになりました。これらの経営者は、賃貸業経営のノウハウをあまり持ち合わせていない反面、賃料収入の増加のみを唯一の関心事とし、それ以外の金銭出費は一切拒絶する傾向になりがちです。
加えて、これら知識も経験もない人に対し、あたかも賃貸業は有利な利殖であるかのように話しアパート建築を進める建築会社、管理会社もあります。
こうして登場する経営者は、賃貸用住宅を建設する段階から極力建設費を節約して安普請の粗雑な建物をつくったり、その後の管理をおざなりにし、賃貸借終了時には敷金等の返還を拒絶したり、賃借人には原状回復義務があるなどと言って多額の請求を要求するきらいがあります。これらのことが近年の賃貸トラブルが増加している原因の一になっています。








