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【倒産続出 土木・建設業界】日本経済復活のカギを握る土木・建設業の現状

コロナ禍が収束しつつある2022年春、本来であれば日本全体の景気回復に先行するはずの土木・建築業に倒産の臭いが漂い始めていた。そして、それが現実のものに……。土木・建築業が倒産の危機に陥った要因と復活の処方箋。

立川昭吾2024/04/12

土木・建設業が支える地方経済と地方の暮らし

ここで土木・建設業界が抱えている課題を整理してみましょう。
まず、人手不足、これはどの業界も抱える問題です。そして、労務費、外注費、建機などもコストがすべて上昇してきています。また、IT化も他の業界と一緒でどんどん入って機械化が進み無人でやる作業も増えるでしょう。さらに中小、中堅の土木・建設会社では後継者不足の問題を抱えています。しかも、インボイスの導入で、実際に工事の作業を行う職人がやめてしまったり、こうした一人親方どうしでつながっていたネットワークバラバラになってしまって、仕事が回せないというリスクを業界全体として抱えてこんでしまっています。

とはいえ、この業界に未来はないか、といえば一概にそうとはいえません。
土木建築業は機械、化学、自動車産業やITのような製品を一つひとつ作る製造業とは違って、効率性を求められると非常に難しい部分があります。
そのため工場のラインで製品をつくる製造業と違って土木建築業はものすごく近代化するのが遅くれてきました。それが今ようやく進もうとしています。

何といっても土木・建設業は、地方経済に大きな影響を与えます。地方では土木建築業がなかったら、仕事がなくなり地方経済、さらにそこに住む人たちの生活までも成り立ちません。しかも、今はそこに高齢化という問題が追い打ちをかけています。ゆえに実際に仕事をしてくれる人がいなくなっています。これはまさに非常事態です。

地方経済、暮らしを支える土木・建築業

例えば、雪の多い新潟県、富山県、秋田県などでは、冬の除雪といった仕事は土木業者が担っており、そこにいる人たちはどこも高齢です。仮に除雪作業が回らなくなればそこで暮らす人が生活できなくなってしまう。これは単純にお金の問題ではなく、地方を支えるためには土木・建設事業は残さなければならない地方の基盤産業なのです。

土木・建築会社復活の処方箋

ところが土木建築業界の、現場は残念ながら今なお“昭和の匂い”が残っています。いわば徒弟制度のような世界です。そこで今のZ世代の若者が入っていけるような構造改革を一挙に進めていかないと、人手不足の解消にはなりません。すてに大手の土木・建設会社では、こうした改革をどんどんやっています。
 しかし、中小、中堅の会社ではこれがなかなか進んでいないのが実態です。この状況を変えることで土木・建設産業は新しく発展していくと私は考えています。

 これはどの業界にもいえることですが、若者が入ってくるような会社を作らなければなりません。そのために労務改善が必須です。
 土木・建設業界の有効求人倍率は6.5倍の業界で、常に人を求めています。機械化できるものはよいのですが、機械ができない部分はやっぱり人が頼り。そのためには土木・建設会社の社長さんはこの辺を考える必要が重要です。

 このことは土木・建設業界だけの問題ではなく、実は日本の中小企業全般にも同じことがいえます。土木・建設業が抱えているこれらの問題は、日本企業全体が抱えている典型例なのです。ですから、企業経営者のみなさんは、このことを自らの問題として受け止めていただければと思っています。

 株価も上昇し、これまでのデフレ経済から確実にインフレ経済へ脱却が見えてきています。そうした中で土木・建設業の動きが今後、いろいろな面で影響してきます。この業界の復活こそが、すなわち日本の経済の復活だと私は考えています。ぜひ、日本全国の土木・建設関連の皆さんには、頑張っていただきたいと思います。

立川昭吾の企業再生チャンネル「倒産続出か!土木・建設業界」より

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この記事を書いた人

立川昭吾

立川昭吾

1945年新潟生まれ。
中央大学商学部卒業後、東京重機工業株式会社(現株式会社ジューキ)入社。退社後は、企業の倒産現場に数多く立会い、企業の倒産回避のノウハウをマスター。1995年設立のTSKプランニングで、コンサルタントとして経営危機に直面した企業の倒産回避および事業再生に関するコンサルティングを手掛けている。
著書に『隣の会社「なぜ?」潰れないのか』『脱常識のしたたか社長論。』『日本が潰してはいけない会社』など多数。

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